ある風景を体験するとき、私たちはなにを思うでしょうか。
きれい。なつかしい。きらい。いいにおい。
カメラで切り取られた風景が誰かの世界のはじっこなら
今回集まった作品はそれぞれの佇まいで世界に触れる方法を観せてくれるはずです。
どうぞこの映画たちと映画館の風景を、体験しに来てください。


12月7日(金) 17:00〜 『EDEN』

EDEN
2011/15min/カラー/16mm

<あらすじ>
かつては地上の楽園として繁栄したであろう廃墟の巨大団地。そのとある一室、古いテープレコーダーから歌が流れ、灰皿には吸いかけの煙草。ティーカップに注がれた紅茶はまだ温かい…。季節が過ぎ、豪雪に埋もれてもなお、それらはそこに在り続けている。生活の消えた場所から物語を紡ぎ出す祈りのドラマ。

<監督プロフィール>
磯部真也(いそべ しんや)


1982年 横浜出身。2007年東京造形大学大学院卒業。イメージフォーラム33期卒業。主な作品に『dance』(2009)『EDEN』(2011)『For rest』(2017)。

<スタッフ>
伊藤らん、大谷理仁、青木岳明、深串大樹

12月7日(金) 17:00〜 『確かな気配』

確かな気配
2017/10min/カラー

<あらすじ>
大切な人と過ごした日々を、僕はどうすることもできないでいる。記憶の中に確かに存在するその姿に近づきたい、離れなければならない、追憶は歪み始める。未だ続く対話を実写映像と実験的なピクシレーションで表現した短編作品。

<監督プロフィール>
浅尾鷹哉(あさお たかや)
1994年福岡県生まれ。九州産業大学で伊藤高志に師事し、実験映像を学ぶ。自分と他者との間にある様々な距離、自分の肉体と精神が離れている時のそれぞれの場所について考えている。現在東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻に在籍。

<スタッフ>
声:浅尾鷹哉
監督・撮影・編集:浅尾鷹哉

12月7日(金) 17:00〜 『五月のこと』『部屋の中の猫』

            (「恋愛のディスクール・断章」不在・待機より)

五月のこと

2016/23min/モノクロ


部屋の中の猫

2016/18min/カラー

<あらすじ>
ロラン・バルト「恋愛のディスクール・断章」の不在・待機のパラグラフから創作した連作。今目の前にいない誰かと共に過ごす時間を描いた2作品。

五月の淡い光をモノクロで撮影し、一人で東京の街を彷徨う旅行者を描く『五月のこと』。同行者のいない旅人の姿は、誰かを迎え入れようとしながらも、対象のいない恋愛情景「不在の人」を浮かび上がらせる。大きな窓のある部屋で絵を描く女性と猫を写した『部屋の中の猫』。絵を描きあげようとしているのか、やめてしまうのか。誰かを待ち続けているからこそ部屋を出ることができない女の小さな苦悩のざわめきと、「待つこと」を持続させていく創作の空間。

<監督プロフィール>
上田真之(うえだ まさゆき)
1985年生、東京工芸大卒。名画座・早稲田松竹でプログラム編成をしながら、インディペンデント映画の監督・製作・配給に携わる。ニコニコフィルムでは短編『携帯電話はつながらない』監督、『祖谷物語~おくのひと~』脚本・制作・配給。IndieTokyoでは、『ハンナだけど、生きていく!』『若き詩人』を配給・宣伝。『泳ぎすぎた夜』助監督。2015年春から『恋愛のディスクール・断章』ワークショップ主催。

<キャスト>
上田真之、Nao CHIKATSUNE
<スタッフ>
監督・編集:上田真之/撮影:kae sugiha


12月8日(土) 11:00〜 『ゾンからのメッセージ』

ゾンからのメッセージ

2018/117min/カラー/ステレオ/ゾンスコープ

 

<あらすじ>

20年前から謎の現象「ゾン」に囲まれた夢問町(ゆめといちょう)。町の人々が集まる「BAR 湯(ゆ)」を舞台に、店のママ常本道子、店員の狩野晶、セミナー主催者の二宮賢治、「ゾン以後世代」の若者たち・羽佐間一歩と安藤麗実ら、住人たちの人間模様が繰り広げられてい る。ある日、町のはずれに住む永礼貫太郎のもとへ、ゾンから謎の VHS テープが飛来し、 住人たちに変化が起き始める......。それは果たしてゾンからのメッセージなのか。境界の向 こう側への不安や願望に搖れる6人を描く、SF 群像劇。

 

<キャスト>

高橋隆大、長尾理世、石丸将吾、唐鎌将仁、飯野舞耶、律子、古川博巳、山内健司(青年団)

<スタッフ>

監督:鈴木卓爾/脚本・プロデューサー:古澤健/撮影:中瀬慧/音響:川口陽一/照明:玉川直人/編集:浜田みちる、鈴木卓爾/音楽:澁谷浩次(yumbo)/撮影助手:大橋俊哉/制作担当:五十嵐皓子、大城亜寿馬/助監督:石川貴雄/監督助手:磯谷渚、本田雅英/現場ドキュメント撮影:深田晃司、星野洋行/美術協力:中嶋義明(中嶋建設)/ロケーションマネージメント:強瀬誠
製作:映画美学校 不写之射プロ/宣伝協力/SPOTTED PRODUCTIONS/配給・宣伝:不写之射プロ
フライヤー・ポスター・パンフレットデザイン:井上則人、安藤公美 (井上則人デザイン事務所)/イラスト:山田参助

 

<監督プロフィール>鈴木卓爾(すずき たくじ)

映画監督・俳優。1967年静岡県磐田市に生まれる。高校時代に、短編8ミリアニメーショ ン『街灯奇想の夜』(1984)を制作。自らにカメラを向け制作した自撮り8ミリ映画『にじ』(1987)が 88 年度 PFF にて審査員特別賞を受賞。1995年、斎藤久志監督のVシネマ『夏の思い出~異常快楽殺人者』で主人公の殺人犯を演じ、俳優としても活動を始める。1998年、古澤健監督の短編16ミリ映画『怯える』に出演。2009年公開の『私は猫ストーカー』 が、長編劇場映画の1作目となる。2016年、映画美学校アクターズ・コース第1期高等科生11名を登場人物として発想した映画『ジョギング渡り鳥』を全国で公開。監督作に、『ゲゲゲの女房』(2010)、『ポッポー町の人々』(2012)、『楽隊のうさぎ』(2013)等。2018年、 京都の路面電車を題材にした映画『嵐電』を監督し、2019 年に公開予定である。

12月8日(土)  16:00〜 『ヒノサト』

ヒノサト
2002/43min/カラー

祖父が一人で手作りし、一度だけ回してその音を確かめ出征したという古い蓄音機の物語をきっかけに、監督は画家であった祖父の残した絵を辿って日の里の町を歩き始める。静かに映し出される町の風景。絵。そして挿入される小さな文字。画家のアトリエに光が射し込む時、流れる三つの時間がにわかに接近する。

 

<スタッフ>

監督・編集:飯岡幸子/撮影:飯岡幸子、北野奈央/録音:河野恵、整音:臼井勝

 

<監督プロフィール>

飯岡幸子(いいおか ゆきこ)
映画美学校ドキュメンタリーコースにて佐藤真氏に師事、映像制作を始める。監督作に『オイディプス王/ク・ナウカ』(2000)、『ヒノサト』(2002)。撮影スタッフとして参加した作品に、安井豊作監督『Rocks off』(2011)、酒井耕/濱口竜介監督『うたうひと』(2013)、杉田協士監督『ひかりの歌』(来春公開予定)等。昨年 Kanzan Gallary にて初の個展『永い風景』(企画/協力:コ本や honkbooks)を開催。

 

 


12月9日(日) 11:00〜 『誰も住んでいない家』

誰も住んでいない家

2018/55min/カラー

家とバイト先を往復する日々を過ごす京は、父親の失踪後ふさぎ込んでしまっている母親と歪なふたり暮らしをしている。
ある日、2人が暮らす家に保険屋の男が訪ねてくる。

 

<キャスト>

望月葉子、江原大介、有賀さやか、黒住尚生、小野澤香織、木下仁、森恵美
<スタッフ>
監督・脚本:植地美鳩/撮影:末松祐紀/録音:古賀陽大/助監督:島田雄史/制作:長谷見琴海

 

<監督プロフィール>

植地美鳩(うえち みく)
1995年生まれ、東京都出身。東京造形大学卒業後、冨永昌敬監督・園子温監督らの元で学ぶ。
大学在学中から映画だけでなく舞台やパフォーマンスなど垣根なく活動し、表現の可能性を模索している。


12月9日(日) 16:00〜 『あなたはわたしじゃない』

あなたはわたしじゃない

2018/83min/カラー   

 

<あらすじ>

あの晩、私は森の中で置き去りにされた。

獣のマスクをしたあの人は、私のお母さん、だったのだろうか?

どことも知れぬ白い部屋で、若い女がつぶやき続ける。

記憶とも空想ともつかぬ独白に、呼び出されるように現れる、囚われの人々。

生き惑う男に素知らぬ振りして、女たちは踊りを止めない。

母から娘へ継がれるカルマを断ち、アイデンティティのくびきから解き放たれるために。

「あなたはわたしじゃない」

そう言って、あの人は私のまえからいなくなった。

 

<キャスト>
青柳いづみ、長宗我部陽子、黒田育世、安藤朋子、川口隆夫、飴屋法水 他

<スタッフ>
監督:七里圭/テキスト:新柵未成/撮影:高橋哲也、村上拓也、河合宏樹/録音・音響:宇波拓/録音協力:寺田英一、黄永昌/音楽協力:檜垣智也、池田拓実、多井智紀、西村直晃

 

<監督プロフィール>

七里 圭(しちり けい)


1967年生まれ。代表作は、『眠り姫』(2007-2016)。近年は、映画製作にライブ・パフォーマンスやワーク・イン・プログレスを導入する「音から作る映画」プロジェクト(2014~)、建築家と共作した短編『DUBHOUSE』(2012)等。そもそもは商業映画の助監督出身で、『のんきな姉さん』(2004)、『マリッジリング』(2007)などウェルメイドな劇映画も監督。山形国際ドキュメンタリー映画祭2017の審査員も。